顔のスキンケア、まず必要なのは、汚れを「抜く」こと

ヒアルロン酸だ、プラセンタだ、新成分が注目されるたびに、
飛びつき試してきた、美容ジャーナリストをはじめとする、
いわゆるコスメフリークたちは、40歳ぐらいで二分される気がします。
プチ整形や最新医療に突き進む人たちと、どんどん自然に戻る人たち。
私の周りには、シンクロニシティのように(同時多発的に)、
過度なスキンケアをやめる人たちが増えています。

『肌の悩みがすべて消えるたった1つの方法』という本によると、

美肌にはクレンジングも洗顔料も化粧水もクリームも必要なく、

ただ35度以下のぬるま水で洗うだけ
この方法が定着するまで、純せっけんやワセリンを補助的に使いますが、
最終的には、時間的にもお金的にも、どれだけラクになることか!
ちなみに、この本の著者、宇津木龍一先生は、
脱シャンプーも提言していますが、その両方が成功したときには、
洗顔料もボディソープもシャンプーも、スキンケア用品もヘアケア剤も、
何も要らないのですから、生活が俄然シンプルになりますよね。

蓄積された汚れを徹底的に落とし、肌本来の代謝を取り戻す

最終的には、宇津木流スキンケアが目標かなと思いながら、
私が顔のスキンケアで実践しているのは、米澤式健顔です。
「何十年もいろいろな化粧品を塗りたくって、汚れが蓄積されている。
その汚れを徹底的に落として(米澤先生は「抜く」と呼んでいます)、
健全な代謝を取り戻せば美肌が蘇る」という理論で、
女優やモデルにも支持者がたくさんいます。
ぬるま水で洗うだけの宇津木流に入る前に、
もともとの健全な代謝を取り戻す米澤式を実践しているわけです。

米澤式健顔の基本は15分かけるクレンジングマッサージ。
肌の表面に留まるクレンジング剤で、やさしくやさしく、
ソフトなタッチで肌を緩め、奥に詰まった汚れを抜いていきます。
洗顔はさっと短く、あとは化粧水と乳液だけのスキンケア。
『米澤先生に聞く、肌のホントのことウソのこと』を読んで以来、
2年近く続けていますが、ニキビが多発する時期を経て、
本当に、顔のくすみとシミが薄くなってきました。
今では、乳液はつけなくても、化粧水だけで、もちっとした肌になり、
見た目もキメが揃って、顔が引き締まるのを感じます。

シンプルなケアは多くの皮膚科医も推奨しています

宇津木流、米澤式健顔、この2つの理論をはじめ、
最近は、洗いすぎない、化粧品を極力使わない、

そんなシンプルケアを提案する美容法がものすごく増えてきました。

取材でお会いする皮膚科医の先生たちも、
「ここだけの話」と前置きしながら、化粧品の害を指摘します。
共通するのは、だいたい、以下の3点です。
1、界面活性剤、油分、防腐剤など化粧品の化学成分には害が多い。
   ケアのしすぎでバリア機能が弱まり代謝が落ちているのが現状。
2、(原因が真逆のように思える)ニキビも乾燥肌も、
   すべての肌トラブルは解決法が同じ。
   肌には本来、奇跡の回復力、バリア機能がある。
   その機能を取り戻すことが、究極の解決法でありアンチエイジング。
3、日焼けに神経質になる必要はない。
   日焼け止めクリームは特に肌に良くない。
   太陽はすべての生命の源であり、レーザーにはない光線もあり、
   日常レベルで日に当たることは、肌の代謝のためにもむしろいい。

思い返せば、W洗顔、泡洗顔、洗顔器、毛穴パック、用途別化粧水、
冷水パック、温パック、美容液、ローラー、アイクリームなどなど、
本当にいろいろなスキンケアを繰り返し肌に「足し算」してきました。
「どこどこの新商品がスゴい」「魔法のクリーム」などと聞けば、
ウン万円でも買ってしまうのが女心なのかもしれません。
それが肌に悪い、化粧品の蓄積が肌トラブルの原因と聞いて、
すぐには切り替えられないかもしれませんが、時代は確実に、
肌から「引き算」するシンプルケアに向かっていると思います。
理想はぬるま水で洗顔するだけ
理想はぬるま水で洗顔するだけ

肌に本当に効くことは時間もかかります

米澤式健顔で、肌に蓄積された汚れが完全に取れるまで、
3か月の人もいれば、3年の人もいるそうです。
最長記録は7年とか‥。
宇津木理論で、ぬるま水で洗顔するだけの方法が定着するまで、
2か月足らずの人もいれば、11年かかった人もいるそうです。
最短記録は7日とか‥。
 
つまり、肌の再生、健全な代謝を取り戻すまでの期間は、
それまで化粧品でさんざん手厚くケアしてきた分だけかかる、
というのも、ふたつの理論に共通する点です。
骨盤矯正などでも、良くなるまでにかかる期間は人それぞれで、
悪い状態にあった期間と同じだけかかると言われますが、
なんとなくわかる気がします。
シンプルケアは、若くして始めるほど、早く効くということですね。

これからも、肌に「足し算」のスキンケアを続けるのか、
少しでも早く「引き算」のシンプルケアを始めるのか、
考えてみる、あるいは1度試してみる価値は大いにあると思います。
20代、30代の人には特に、高級美容液スパイラルに入り込む前に、
ぜひ試してみてほしいです。
試してみて、合わないようであれば、戻せばいいのですから。
とはいえ、どちらの先生も、「続ければ効かない人はいない」
「必ずよくなる」と、長年の経験から断言なさっていますよ。


 (というわけで、次回は「シャンプーを止める」です)