「79歳でいたかった。70代はいいけれど80代は老人だ」
ことあるごとに、母がぼやきます。
「90歳になると、あんなになってしまうんだもの」
90代の姉を挙げ、嘆きます。
「ママが90歳になる10年後には、いまの90歳とは違うんだよ」、
「90代で大活躍している現役もいるんだから」と私は励まします。
娘としては、年齢の数字にこだわらず、
死ぬまで健康でいるための日々のケアに励んでほしいのです。
母の愚痴を聞いていると、自分自身も引っ張られ落ち込むから。
まだまだやりたいことがあって加齢を直視したくないところに、
さらなる先を突きつけられて嫌になってしまいます。
その実、「とうとう50歳か」「せめて49歳でいたい」と、
50代の人たちを見て母と同じことを思っている自分もいるのです。
しかし、老化に対する母の発見や理論は興味深くもあるのです。
赤ちゃんが生まれ、1歳から2歳、2歳から3歳、3歳から4歳と、
1年でものすごい成長を遂げていきます。
10代20代になると1年でそれほど変わることはないですよね。
50代60代、もちろん加齢による衰えはあるのですが、
それは、70代80代の1年に比べると緩やかで小さいものだと言うのです。
人生の最後に差し掛かって、最近の体が壊れていくさまは、
赤ちゃんがぐいっぐいっと成長するように、
ガクン、ガクンと音を立てて崩れていくようだと言います。
私が80歳になったとき、その真偽はわかるでしょう。
母の理論が正しいならば、そうはいっても加齢が緩やかなうちに、
やっぱり、やることをやっておきたい。
1日1日をムダにしたくないと強く思います。
コメントをお書きください
スー (月曜日, 01 6月 2015 23:40)
お母さまの嘆き、なんとなく解る年齢になっているスーです。
私の姉は70余歳ですが、電話の度に「あなたもいずれこうなる」と、
老化による身体および精神力の衰えの話をします。
人間誰しも同じように、老いて行くのは定めですから、
前もってそんな話は聞きたくもないと思うことしばしばですが、
「まあまあ、年寄りの言うことだから」と聞き流すようにしています。
しかし、次第にこちらから電話をかける回数は減っていきますよね。
最近、篠田桃紅さんという102歳の書家の方をメディアの放送や記事で知りました。
本も出されているようですね。
年齢に関して、とても自然体の受容をされている方のようにお見受けします。
まあ、あそこまでの語りができるのは、あの年齢ならではのことでしょうが、
老いを嘆きの種にしない生き方は見習いたいと思います。
人はそれぞれ、どこで病を得、いつ人生にピリオドが打たれるのかは予測の外です。
一人一人ができることは、その日が訪れるまでは懸命に今を生きるしかないということですよね。
私も、もう先に目標を設定することはありませんが、心残りの無いように、
やりたいことはできる範囲で、即やってみるようにしています。
kotoko (火曜日, 02 6月 2015 10:41)
スーさん
コメント、ありがとうございます。
スーさんのお姉さんに対するお気持ち、本当に似ています。
篠田桃紅さん、知らなかったです、さっそく調べてみます。
年齢は大きな関心事ではあるけれど、そのかたのように、
「老いを嘆きの種にしない生き方」を模索したいと私も強く思います。
スーさんのように「やりたいことは‥即やってみる」という心がけもいいですね。
私も意識して真似してみます。
スーさんは、「目標を設定することはありませんが」とありますが、
それはどうしてですか。
私は、まだまだ目標を設定したいーーというのとも違うのかしら、
目標というより願望でしょうか、この先まだまだ良いことが起こってほしい、
そんな気持ちがあります。
それが、あがきや焦りの原因になっているのかもしれません。
これからもよろしくお願いします。
スー (水曜日, 03 6月 2015 06:29)
kotokoさん、おはようございます。
1時間早く起きたので、出勤前の書き込みです。
>「目標を設定することはありませんが」とありますが、それはどうしてですか。
以下は、私なりの経験から生じた持論ですが・・・
目標を設定して自分を追い込むのは、
利害や優劣の絡む社会に未だ現役の人間にとって価値が生じるのだと思います。
そうした競争社会から一旦身を引いた人間にとっては、「目標の設定」は「焦りや失望」につながるので、
それでなくても心身ともに下降線を辿る人生の終盤には、毒にこそなれ薬になるとは思えないのです。
それこそ、シニアには「どうしたら穏やかに死を迎えられるか」という、
誰しもが避けられぬ最大最終目標があります。
酸いも甘いも経験し、気を張り詰めて社会に対峙してきた人生の後半は、
せめて、する事為す事に余裕を持って接したほうが良いのではないか、私はそう考えています。
それが趣味の分野なら当然ですが、たとえ仕事していても、「比べない・焦らない」ことが肝心かな、と。
厭なら止める、面白ければドンドン前進するという自然体のあり方ですね。
全ては、「心の平安」の為です。
今になってわかるのですが、現役時代も、これくらいの気持ちで過ごせば、
もっと楽しい青年時代・壮年時代が過ごせたのだろうと思います。
(たぶんそれは多くの人間にとって難しいと思いますが)
若いうちは、「少しでも上へ、少しでも多く」と
自身を突き動かす体内ホルモンのような作用があるかもしれませんね(これは私の想像に過ぎませんが)
とにかく、「今、この時・この場所・この状況」を楽しむようにしています。
kotoko (水曜日, 03 6月 2015 13:01)
スーさん
いただいたコメント、何度も何度も読んでしまいました。
私が「焦りや失望」の繰り返しである理由がすべてある気がします。
焦りは将来に対する、失望は過去に対する、ネガティブな感情で、
そういった「焦りや失望」で「今」を見失うほどもったいないことはありません。
スーさんの心境に達すれば、達せなくても、スーさんの考え方に立てれば、
「今、この時・この場所・この状況」を楽しめるようになるのでしょうね。
急に切り替えるのではなく、徐々に徐々にココロの訓練ですね。
うーん、私にできるかしら。
でも、こうしてスーさんの考え方を聞くだけでも少しラクになれた気がします。
ありがとうございます。
kotoko (土曜日, 06 6月 2015 08:59)
スーさん
そして、篠田桃紅さんの本、買いました。
読むのが楽しみです!
スー (日曜日, 07 6月 2015 13:38)
kotokoさん、篠田桃紅さん、わかりましたか。
本を買われたのですね。ご紹介して、良かった!
実は、先週だったかに視た篠田桃紅さんを取材した番組を、
6/6(土)0:00~再放送していたのですよ。
ETV特集「墨に導かれ篠田桃紅102歳」というEテレの番組です。
あーっ、早めに知っていればkotokoさんに教えてあげられたのに・・・と後悔。
画面の中で動き語られる桃紅さんの、ごく自然な姿に惹かれます。
書家から美術家に転身なさっていたのですね。
別のテレビ番組で対談をされている様子を、チラリ拝見したことがあるのですが、
とても100余歳の方とは思えない(かくしゃく)としたご様子でした。
見習いたいと思った私です。