「いま近くに来ているんだけど出てこない?」
ある晩、突然、旧友からメッセージをもらって、
どうしよう、どうしようと、めまぐるしくいろいろ考えて、
結局、言い訳をつけて断わってしまいました。
考えたのは、こうです。
完全にスッピンだし、夕食終えてお腹はパンパンだし、
お風呂に入るつもりで頭にターバンかぶっているし、
今から準備するとなったら、
歯を磨いて、髪型を作って、メイクして、
待てよ、数日前から気になっている白髪染めもしたいし、
お風呂入っちゃったほうが早いかな‥などなど。
若い頃は、こんな時、たぶんすぐ飛び出していけたのです。
寝起きでも、パシャパシャッと顔を洗って、
歯を磨きながら髪を梳かして、5分もあれば充分でした。
歳をとるということは、準備ひとつとっても、
時間がかかるようになるということなのかもしれません。
だからフットワークが重くなるのかもしれません。
昔、障害者スポーツの合宿イベントを取材したことがあります。
「明日の予定は‥」と主催者がアナウンスするとき、
「起床○時、朝食○時、手続き○時」と始まるのかと思いきや、
「集合時間9時」とだけ伝えて解散。
つまり、障害によって、
身支度にかかる時間も食事にかかる時間も違うから、
起床時間は各々の判断だという、考えてみれば、
しごく当たり前のことですが、妙に感動した覚えがあります。
いま、若い頃より準備に時間がかかるようになったのなら、
その分、準備を早く始めるようにすればいい。
仕事でもそう考えています。
若い人より時間がかかるものは、その分早く始める。
若い人より体力や気力が落ちている分、
経験を生かし効率的に集中して短時間で済ませる。
年齢を重ねて衰える部分の少しは、
時間の使い方で補えるような気がしています。
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TKHS (水曜日, 11 3月 2015 14:53)
週に3回透析を受ける生活になり、自暴自棄になっている兄を思い浮かべました。
透析で拘束される時間はハンパないですが、その分、残りの時間を有意義に使う。
健康であっても障害があっても死に向かっていることは同じで、
健康や若いこと=幸せではないということを改めて感じました。