年をとっていいこと、なんて何もない

もうすぐ80歳になる母が言います。

「年をとっていいこと、なんて何もない」。

よく「年をとったからこそ」なんていう言い方があるけれど、

基本的に年をとるのは、1日1日衰えていくこと、悲しいこと。

 

私もそう思います。

去年より昨日より、どこかしら衰え、壊れていく。

それに、抗ったり、憂いたり、諦めたりを繰り返していく。

それが人生なのかもしれないと考えるようになりました。

 

じゃあ、一番いいときは、いつだったんだろう。

10代? 20代?

青春時代も青春時代で悩み苦しみ生きていました。

歌詞ではないですが、「青春時代はよかったなんて、

あとからほのぼの想うもの」です。

 

若いときは、自分が世界の中心にいるような怖いもの知らずで、

将来に過大な期待をしていたけれど、

その可能性が狭まるに従って、

自分が何者でもないことを受け入れていく。

(だからといって、投げやりになるのとは少し違うのですけれど)

 

作家のなだいなださんのペンネームは、

スペイン語で「なにもなくて、なにもない(nada y nada)」という意味だそうですが、

その境地に向かって生きている、ような気がする今日このごろです。